レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0034「適当な方法」『宇宙のあいさつ』

この青年は、均一で健全な社会に不満を持ち、不満感の解消を国家に要求しているが、管理社会に不満を持っている人間が国に面倒を見てもらおうという発想が既に管理社会にどっぷり浸かっている人間の発想ではないかと思う。
医師の治療によりこの青年は社会に適応した人間に生まれ変わった。退院するときの医師と青年との会話で、治療が患者に治療方法の同意(インフォームド・コンセント)を得ないまま行われたことがわかる。インフォームド・コンセントが以前は行われていたが、患者が抵抗するので方針を変えたらしい。拒否することも含めてインフォームド・コンセント(レフューザル)なのだが。このやり方はパターナリズムだが、本人にとっては平凡な一生を過ごすのと、アル中になる自由を追求するのとどっちが幸せなのだろうか?(因みに「幸」という漢字は「手枷」の象形文字らしい。この漢字が何故「しあわせ」を意味するのかは諸説あるが、人間が社会で他人と共にしあわせに生きていくためには、各人にある程度の制限が必要とされるという意味かも知れない。)