レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0059「反応」『宇宙のあいさつ』

この作品では「文化」と言う言葉は出てくるが、「文明」という言葉は出てこない。「文化」というと必ずしも合理的、普遍的ではない特定の時期や地域固有の知の蓄積、「文明」は合理性や普遍性を持った知の蓄積という感じがするが、この作品では異星人にも伝えられる普遍性を持った知の蓄積を「文化」と表現している。あまりその辺は厳密に区別していないのだろうか。
この宇宙人は高度な文化を持つ宇宙人のようだが、異星人に自分達の文化を伝えるつもりなら、普通そう申し出る前にその異星人がどんな性質を持っているか調べるのではないだろうか?自分達の正体と目的を明かしてから相手の検査を始めるというのは手順が逆なのではないかと思う。また、検査も結構雑で、嘘発見器のような機械が質問に対する反応とは別な反応を読み取っても、質問に対する反応だと解釈してしまっている。なんとも残念な宇宙人で、文化を伝えて貰えなかったのは残念でもあるが、伝えて貰えなくて良かったような気もする。