レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0068「繁栄の花」『宇宙のあいさつ』

何やら現代(2021年)に起きているいろいろな事件を想起させられた。例えば以下のようなものだ。
・日本で開発した品種が海外で勝手に栽培されて売られている。何の対策もしていなかったため、他国にシェアを奪われている。
・大手種苗メーカーが、種をつけない品種を売っている。農業を続けるためには、その会社から毎年種子を買わなければならない。(宮崎駿の『シュナの旅』にもそんな設定があった。)
・某国から謎の種子の入った郵便物が送られてくる。
どれを見ても、バイオテクノロジーが社会に思わぬ影響を与え始めているように思える。

メール星は武器も軍備も持たない平和な星のように見えたが、実際にはバイオ兵器で武装した手強い敵だった。人類はまんまと罠にはまり、砲艦外交を展開したつもりがメール星に主導権を握られてしまう。結局外交や駆け引きの背後には、相手に言うことをきかせる何らかの力が必要なのだ。メール星人はこしゃくではあるが、なかなかスマートな商売人だと思う。

話とは直接関係無いが、表現で一部気になるところがあった。「かおりもまた美しかった。」というところだ。視覚や聴覚については「美しい景色」「美しいメロディ」のような形容ができるが、「美しいかおり」はかなり特異な表現だと思う。普通は「良いかおり」ではないだろうか?ついでに言えば、「美しい味」「美しい手触り」も違和感がある。「美しい」という形容詞は何故視覚、聴覚にしか使えないのだろうか。