一日一星 No.0021 「質問と指示」『かぼちゃの馬車』
何かの教訓のようにも思えるが、何の教訓だかわからないし、無理に教訓に当てはめてしまうと、この作品のなんだかわからない残念な魅力が損なわれてしまうような気がする。
冴えない男のところに謎の美少女が舞い降りてくる系のマンガやアニメを一時期よく見かけたが(『うる星やつら』とか)、この1/6フィギュアくらいのサイズの妖精はそんな淡い願望が生み出したヒロインの一人のように思える。特に何もしなくても、いるだけで癒されそうな感じ。素っ気ない受け答えや、帰れと言われるとあっさり帰ってしまうところも変に叙情的でなく、かえって切なさがつのる感じがする。彼女が出ていった後の喪失感もいい。短編アニメで観てみたい作品だと思う。