レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

一日一星 No.0075「あとがき」『宇宙のあいさつ』

「あとがきは原稿料が出ない。しかし、「あとがき」という作品にすれば原稿料が出るのでは」という発想からこの作品が作られた、という話を以前聞いた気がするのだが、出典がどこか覚えていない。もし見つかったら後日追記する。 この作品、メタ構造になって…

一日一星 No.0074「夜の流れ」『宇宙のあいさつ』

繰り返し構造の作品。こういう構造は星新一の作品にしばしば出てくる。同じようなストーリーが若い女、男、老人の順に少しずつ変化しながら繰り返される。こういう展開は音楽的な(変奏曲的な)感じがする。タイトルの「夜の流れ」も、「曲が流れる」という…

一日一星 No.0073「砂漠の星で」『宇宙のあいさつ』

No.0070「美の神」と似た感じがする作品。異星文明とのファーストコンタクト物だが、異星人は既に存在せず、遺跡しか残っていない。遺跡の役割を解明するが、思いがけない結果になる。 鉱物採取用のロボットの格納庫という目的は人類にも理解できるが、何故…

一日一星 No.0072「奇妙な社員」『宇宙のあいさつ』

現代(2021年)の「働き方改革」を思わせるような内容(ワークライフバランス的な意味で)。途中までは社員がリゾートマンションか何かを買って資産運用でもしているのかと思っていたが、意外な展開。忙しい本業の息抜きに副業というのはワーカホリックのよ…

一日一星 No.0071「ひとりじめ」『宇宙のあいさつ』

盗んだ金の分け前を渡したくない気持ちはわかるが、相棒をはねてしまっては、その事件の捜査で足がついてしまい、逮捕されるのではないか?酔っているせいかも知れないが、行動が短絡的な感じがする。大体自動車で帰る前にバーで飲んでしまうところに昭和っ…

一日一星 No.0070「美の神」『宇宙のあいさつ』

落ちの部分、肌の色が緑というのは、話の前半の植物の葉が緑でないという描写と合わせて考えると、この星では緑が希少で美しい色と認識されているのだろうか? この星の美の基準は、ある程度地球人と似ているようだ。顔立ちや声は地球人の価値観でも美しいと…

一日一星 No.0069「泉」『宇宙のあいさつ』

この話、壁から生えた腕より夫婦の方が怖い。泥棒に怯えている割に腕に対しては冷静なところがシュール。腕の方も攻撃的な行動は取らず、されるがまま。しかし次第に話が血生臭くなっていく。この腕が一体何だったのか、最後までわからない。不思議なホラー…

一日一星 No.0068「繁栄の花」『宇宙のあいさつ』

何やら現代(2021年)に起きているいろいろな事件を想起させられた。例えば以下のようなものだ。 ・日本で開発した品種が海外で勝手に栽培されて売られている。何の対策もしていなかったため、他国にシェアを奪われている。 ・大手種苗メーカーが、種をつけ…

一日一星 No.0067「救助」『宇宙のあいさつ』

極限的環境で何とか生き延びた遭難者。普通こういう場合は環境を改善して生き延びようとするものだが、この人は自分の意識を変えて環境に適応した。これは環境が改善しようにもできないくらい過酷だったからなのか、それとも彼の職業が神経科の医者だったか…

一日一星 No.0066「初雪」『宇宙のあいさつ』

ポストアポカリプス作品。 この二人は次の世界のアダムとイブになるのか?それとも核戦争で被爆してしまい、未来が無いのか?男は不満タラタラだが、女は生活を楽しんでいるようにさえ見える。年下のイケメン(「美しい眉の下の目」という描写にイケメン感が…

一日一星 No.0065「贈り主」『宇宙のあいさつ』

この話はひねりが二つあると思った。一つは醜い怪物の正体が人間のような姿をしていること (この贈り主はどんな姿形をしているのだろうか?)、もう一つは空間的に遠くから贈られてきたのかと思っていたら、時間的に遠い未来から贈られてきたということ。一…

一日一星 No.0064「運の悪い男」『宇宙のあいさつ』

本人の知らない間に問題が解決してしまっているが、この場合K氏が借金を返済したことになるのだろうか?それとも強盗が立て替えた分を請求されるのか?その場合誰から請求されるのか?盗まれた人? ひとつの家のなかでほとんど全ての話が展開されるのは、星…