レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

一日一星 No.0005 「天国」『悪魔のいる天国』

一読して、似た話を思い出した。ドラえもんの「石ころ帽子」という話だ。周囲の人のウザい干渉に辟易したのび太がドラえもんにこぼすと、ドラえもんが石ころ帽子という帽子をくれる。それをかぶると路傍の石のように相手にされなくなる。最初は満足していた…

一日一星 No.0004 「相続」『悪魔のいる天国』

2020年現在からみると、これはスマホの資産形成アプリを思わせる(企業対象だとERPパッケージも)。資産形成アプリのAIを自分の志向に合わせて学習させ、それに遺産を託す。現実的には全ての意思決定をAIに任せるわけにはいかないだろうが、ある程度の発言権は…

一日一星 No.0003 「殉職」『悪魔のいる天国』

この幽霊会社というのは、会社というより復讐のための互助会という感じがする。しかし、復讐を成し遂げれば成仏できるわけではなく、人間に殺して貰わないと天国に行けないという仕組みは納得いかない。本作の主人公のような、恨む相手もいないまま幽霊にな…

一日一星 No.0002 「薄暗い星で」『悪魔のいる天国』

理詰めの展開で最後に落ちがあるという定番のショートショートとは別系統の叙情的短編。こういう系統の作品も星新一には少なからずある。 死という概念が無い存在の死。それがどんなものかは人間には想像できない。作中のロボットが、なぜ人間が死を恐れるの…

一日一星 No.0001 「エル氏の最期」『悪魔のいる天国』

生まれ変わりを信じているエル氏は循環する時間を生きている。ロボット氏は直線の時間をタイムマシンで行ったり来たりしている。循環する時間を生きているエル氏が直線の時間に乗り換えたのは、循環する生に希望を見出だせなかったからか? 「タイムマシン」…

一日一星 No.0000 星新一を読む。

「一日一星」では、ほぼ一日一話星新一の作品を読んで感想を書きます(土日祝日年末年始お盆体調不良時はお休みする予定)。順番は特に作品の発表順と関係なく、その時の気分で決まります。 ※ネタバレが含まれることがありますのでご注意下さい。2021年12月4日…