レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0039「小さくて大きな事故」『宇宙のあいさつ』

小さなことから完全犯罪が崩壊する話はしばしば見るが、小さな事故で完全犯罪が成立してしまう話は初めて読んだ。「頭は少し弱いが正直な男」の動向によってはこの完全犯罪も危うくなりそうだが、この作品ではそこまでの展開は書かれていない。
このタカリ男は「おれみたいな、善良なたかり方をする男など、そうはいない。生かさず殺さずといった、たかり方の経営学を心得ている」と言っているが、宿主を窮鼠猫を噛む状態にまで追い詰めてしまった時点でタカリスキルが低い。寄生虫として生きていくのもそう簡単ではないようだ。