レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0031「治療後の経過」『かぼちゃの馬車』

iPS細胞を思わせる再生医療の話。
この話は「外見」(『かぼちゃの馬車』)と対になる話だと思う。「外見」の方は体が壊れてしまい、脳を機械の体に移植する。「治療後の経過」は無傷な体から頭を再生する。「外見」は見た目は以前と似ても似つかないが、人格は変わらない。「治療後の経過」は再生した頭が生まれたての状態から成長していくので、見た目は同じでも人格が以前と同じものになる保証はない。
これらの話では、どちらも人格が頭に宿っている。脳死という死の判定基準があるし、認知症は脳の病気なので間違ってはいないと思うが、認知科学では人格(意識)は脳だけでなく体全体に広がっていて、さらに外部の環境とも関連してくるらしい。SFではよく脳だけ生かしたり、他の体(機械含む)に移植したりする話があるが、元の体から離れた脳が元の人格を保っていられるかどうかはわからない。今後人間がサイボーグ化していくにつれて明らかになっていくのではないだろうか。