レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0032「交代制」『かぼちゃの馬車』

「常識」(『かぼちゃの馬車』)と似た作品。「常識」はドッペルゲンガーが7人出てきたが、「交代制」は3人目に仲裁役が現れた(ただし体は3人で共用)。この仲裁役は薬の作用で発生したのだそうだが、この人格は複数に別れた人格をひとつに統合するために現れたわけではなく、他の2人と共存していくつもりのようだ。そういう作用の薬なのか。それとも治癒する過程でこうなるのか。「常識」では他の人格は消えて一人だけ残る。これらの症状は精神分裂病(統合失調症)のメタファーのようだが、どちらも人格が統合されて治ったとは言いがたい感じ(一方は複数の人格の共存、もう一方は他の人格の切り捨て)で終わるのが面白い。