レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0064「運の悪い男」『宇宙のあいさつ』

本人の知らない間に問題が解決してしまっているが、この場合K氏が借金を返済したことになるのだろうか?それとも強盗が立て替えた分を請求されるのか?その場合誰から請求されるのか?盗まれた人?
ひとつの家のなかでほとんど全ての話が展開されるのは、星新一の作品によくあるパターンだ。『ノックの音が』のあとがきで、「出不精のせいかな。」と自己分析しているが、推理小説の密室トリック作品の影響などもあるのではないか。
「美点がそろうと、ろくなことがない。」というシニカルな文。相乗効果がマイナスに働くのか。
「小の虫を殺して大の虫を助ける、という格言があります。公益のためにはある程度、個人が犠牲になるのもやむをえないと、憲法でも認めているそうです」…憲法ってそんな事を認めてたのか…。