ショートショートとしては結構長いが、最後の一行以外は全て会話。すごく饒舌で過剰なくらい想像力が豊かな被害者(途中で立場が逆転するが)。こういう会話で構成された作品も、星作品の中には色々あるようだ(「町人たち」等)。
善良な市民が善良な市民というレッテルを利用して悪党に勝つ話。勝ち方はとても善良とは言えないが。
「悪党と善良な市民との間には、信用取引きが成立しない」というのは興味深い。これは逆に言うと、悪党同士、善良な市民同士では信用取引きが成立する可能性があるということではないか?悪人にも善人にもそれぞれの論理や行動様式があり、それらがマッチすれば信用取引きが成立するということだろうか。