レトルト工房 ~錬金術師の仕事場~

個人サークル「レトルト工房」のブログです。現代科学の最後尾を独走中です。

一日一星 No.0043「対策」『宇宙のあいさつ』

星新一の作品で、女性が主人公の作品は、あるにはあるがそんなに多くないと思う。「ボッコちゃん」「殺し屋ですのよ」「小さくて大きな事故」…と挙げてみたが、主要登場人物ではあっても主役かどうかは微妙な作品もあるかも知れない。女性で「N氏」のような記号的な名前の登場人物はいるだろうか?ちょっと思い出せないが、「N氏」というキャラクターが必ず男性というわけでもなく、女性の「N氏」もいるかも知れない。
星新一太宰治の作品を好んで読んでいたそうだが、一人称の女性を主人公にした作品を書くとき、太宰治を意識していただろうか?「セキストラ」より前の作品にそんな作品があったようだが。
この作品は、登場人物が騙したり騙されたりする系の作品、例えば「西部に生きる男」を思わせる。相手を引っかけるワナは、色仕掛け、泣き落とし、買収で、相手や場合に寄るだろうが、この話では買収が最強であり、不正調査株式会社にも蔓延してしまう。これは調査する側が人間である限り、無くならないと思う。